全人類を家族だと考える

全人類を家族だと考える

こんにちは!
幸せ実践塾塾長の赤木あつしです。

「神との対話2」の一部を引用しながら
内容を解説するシリーズ。

今回は第11章の1回目になります。

「世界はそろそろばかなふるまいをやめ、
目覚めて、人類の唯一の問題は愛の欠落だ
ということに気づいたほうがいい。
愛は寛容を、寛容は平和を生む。
不寛容は戦争を生み出し、
耐えがたい状況に無関心になる。
愛は無関心ではいられない。
どうして、
無関心でいられるのかわからない。」
(p.188)

世界の問題は、
「愛の欠落」だと神は言います。

この世の本質は愛であり、
その愛の対極(不安)が存在する世界として、
この相対的な世界が創られました。

最初は愛がない(不安)状態を体験し、
徐々に愛を体験して神に近づく。

それがこの世の目的でした。

そして我々は今、
世界的に愛の問題に直面しているのだ
と神は言うのです。

愛があれば、無関心ではいられません。

マザー・テレサさんが、
愛の反対は無関心だと言われた通りです。

無関心でなかったなら、
莫大な賠償金の支払いのために
苦しんでいた第一次世界大戦後のドイツを、
世界は見捨てていられたでしょうか?

「自業自得だ」と言って関心を寄せないから、
ナチスの台頭を許したのです。

ナチス・ドイツが
軍を編成してラインラントに進行した時、
フランスは無関心でした。

もし関心を持って、
ドイツのためにも横暴は許さないと
フランスが軍事的に対峙したなら、
ドイツは侵攻を諦めたかもしれません。

この辺の歴史的事実については、
それぞれでお調べくださいね。

私は、小室直樹氏の「新戦争論」などで
知りました。

では、私たちは今、
どうすべきなのでしょうか?

「人類すべてに対する
愛と関心への一番の近道は、
全人類を自分の家族と考えることだ。
全人類を家族と考える一番の近道は、
分裂をやめることだ。
世界の国民国家は団結すべきだ。」
(p.188)

分裂は幻想です。

なぜなら、
私たちの本質は「ひとつのもの」だからです。

この分裂しているように見える相対的世界で、
私たちは愛によって統合へ向かう。

それが愛に戻ることであり、
神に還ることなのです。

私たちは、
この問題にすでに気づいています。

ですからこれまでに、
国際連盟や国際連合を作ってきました。

しかし、これはまだ、
本当の意味での統合に至っていません。

「国際連合は無力で無能だ。
国連を機能させるには、
まったく創りなおさなければならない。」
(p.188)

たしかに今の国際連合は、
相変わらず第二次大戦を引きずっています。

戦勝国の一部が安保理常任理事国として
拒否権を持っています。

このため、
国連として統一した軍事行動が起こせません。

また、日本は相変わらず敗戦国扱いです。

国連分担金を
加盟国中2番目に負担しているというのに。

このような問題があり、
神は一から作り直したほうが早い
と言うのです。

しかし、
どうすればそんなことができるでしょうか?

「それぞれの国民国家が
世界の問題について平等な発言権をもち、
世界の資源を平等に分かち合う
新しい政治的なコミュニティをつくればいい。」
(p.189)

まあたしかにそうなのですが、
それが簡単に作れそうにないから
苦労しているんじゃありませんか。

著者のニール氏もそう感じたようで、
それぞれの国にそうする必然性があるのか
と神に質問します。

「それが、彼らの最善の利益だからだ。」
(p.189)

「あなたの国の経済に毎年
何十億ドルかを付け加えることができたら
--飢えた者に食べさせ、
困っている者に衣服を与え、
貧しいひとに住まいを与え、老人を安心させ、
保険制度を改善し、
誰もが人間として恥ずかしくない生活が
できるようにする金だが--
それは、国家の最善の利益ではないか?」
(p.189 – 190)

つまり、新たに平等な
世界的なコミュニティを作ることは、
国家の経済的な目的に適っており、
それぞれの国は喜んでそれに参加する
と言うのですね。

この経済的な目的を達成できれば、
犯罪は減少し、新たな職を創設し、
政府の仕事は減って小さな政府が実現する
とさえ言います。

何だか夢のような話ですね。

でも、本当に
そんなことが可能なのでしょうか?

「防衛システムや
攻撃兵器生産の費用を節約する。」
(p.192)

「アメリカだけではない、世界中だ。
撤廃までいかなくても、
大幅に縮小すればいい。
唯一、残るニーズは、国内の秩序維持だろう。
だから、地方の警察を強化する。」
(p.192)

つまり、
世界的なコミュニティを作ることで、
国同士の戦争を永遠に終わらせる
ということです。

そうすれば、
軍事費に当てていた予算のほとんどを
他のことに振り替えられます。

1994年のこの本が書かれた時点で、
世界の軍事予算は約1兆ドルだそうです。

そして、豊かな国ほど
軍事費削減のメリットが大きい。

ですから先進国ほど、
このコミュニティに参加したがる
と言うのです。

「だが、大きくて豊かな国家は、
防衛をやめられるとは考えない。
自分たちをうらやみ、自分たちが
もっているものを欲しがっている国に
攻撃されるのではないか
と恐れているからだ。」
(p.192)

たしかにそうでしょう。

防衛というのは、
今の生活環境をそのままに守りたい
という不安の現れですからね。

「この脅威をとり除く方法は二つある。
一つめ、
世界中の富と資源を
世界中のひとと分かち合い、
誰も他人のものを欲しがったり、
必要としたりしないですむようにする。
そして、誰もが不安や恐怖なしに
人間らしく暮らせるようにする。
二つめ、
ちがいを解決するシステムをつくり、
戦争の必要を--
可能性さえもなくしてしまう。」
(p.193)

まあたしかに、
こんなことができれば、
きっと上手くいくのでしょうね。

しかし、そんなに上手くいくでしょうか?

やはりまだ、
理想論を聞かされているだけのような
気になります。

しかし、
これは不可能なことではないのです。

その理由は・・・

次回に続きます。

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赤木篤 (あかき・あつし)


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