不安を武器にして

不安を武器にして

こんにちは!
幸せ実践塾塾長の赤木あつしです。

「神との対話3」の一部を引用しながら
内容を解説するシリーズ。

今回は第2章の3回目になります。

ここから神は、
母系社会から父系社会に変わった時に、
何があったかを語ります。

「彼らは不安を利用した。
不安が唯一の道具(ツール)だったから。」
(p.66)

女性が支配し、
重要な地位を得ている社会で、
男性は何も持っていませんでした。

そんな状態から、
どうやって逆転したのか?

神は、「不安」を利用したと言います。

まずは、
同性の男性を説得したと言います。

不満を持っていない男性も大勢いたからです。

肉体労働をして役に立てば、
セックスを楽しむこともできた。

それで充分ではないか、
という考えの男性たちです。

そういう男性を説得したかったのは、
いわゆるモテない男性だったそうです。

腕力も魅力もなく、女性からモテなければ
セックスも楽しめませんから。

なんだか男性の悲哀が感じられますね。

最初は、
性的欲求不満から不平不満を言っているだけ
と思われたでしょう。

だから支配者の女性は軽視していたのです。

しかし、彼らは不安の種を蒔き始めた。

「もし、
女性たちが間違っていたら、どうする?」
(p.67)

女神の直系である女性支配者が、
間違っていることなどあるでしょうか?

そこで神話を作って信じさせたのです。

社会全体で理解されていたことに、
どうしても「ワル」になる子どもが
生まれるということでした。

手がつけられない「ワル」は、
特に男の子に多い。

そこから、こんな神話を作ったのです。

「偉大なる母、
女神のなかの女神が子供を産んだが、
その子は良い子ではなかった。
偉大なる母が何をしようと、
子供は良くはならない。
ついに、
息子は母と玉座を争うまでになった。」
(p.68)

これで堪忍袋の緒が切れた母は、
息子を永久追放します。

しかし彼は、たくみに姿かたちを変えて、
時には偉大な母になりすまし、
悪いことを続けたのだと。

この神話により、
今自分たちが崇めている女神が、
本当の女神なのか?
それとも不肖の息子なのか?
という疑念を抱かせたのです。

「いま、あなたがたが悪魔と呼ぶ存在は、
こうして創られた。
「悪い子供」の神話を創り、
そういう者がいるかもしれない
と女性たちに納得させることは、
困難ではなかった。
また、悪い子供が男の子だと言えば、
みんな、そうだろうとうなずいた。
男性は劣ったジェンダーだ、
そうではないか?」
(p.68 – 69)

このようにして、
たくみに神話を信じさせたと言います。

「「悪い子」が男の子で、
「邪悪な者」が男性なら、
彼を力で抑えられるのは誰か。
男性たちは狡猾にも語った。」
(p.69)

知恵や洞察、癒やしなら女性が勝りますが、
荒々しい力が必要になれば
男性の出番です。

男性は女神を守って、
敵を打ち負かす役割を得たのです。

「なにしろ、
女神を守らなければならない敵がいる
というのだから、
当然、女神を守る保護者も必要だ。
保護者である男性から、
平等なパートナーとして
女神と並び立つ男性までの距離は、
そう遠くなかった。
男性の神が創造され、しばらくすると、
神と女神がともに神話の主人公になった。」
(p.69)

このようにして新たな神話が創られ、
神話によって
価値観が変わっていったのですね。

「神話のなかに、巨大な力をもつ神々、
形容しがたいほど美しい女神をめぐって
争い、戦う神が出現しはじめた。」
(p.69)

何だか日本の神話にもありそうな話です。

ギリシャ神話もこんな感じですね。

「神々の嫉妬が女神だけでなく、
生きとし生けるものすべてに拡大するのに
時間はかからなかった。
ひとは神を、嫉妬深く要求がましい神を
愛したほうがいい。
それも、この神だけを愛するべきだ。
さもないと!」
(p.70)

このようにして、暴力的に支配すること、
嫉妬して所有しようとすることが、
当然の価値観となったのです。

「神性についての考え方が一変した。
すべての愛の源である存在から、
すべての不安と
恐れの源である存在になった。」
(p.70)

以上が、
母系社会から父系社会へ変わった時の
物語だと神は言います。

これが本当のことかどうかは、
私にはわかりません。

しかし、ギリシャ神話や日本の神話には、
似たような話はあります。

あまりに人間ぽい神様が、
嫉妬したり暴力を振るう物語です。

「愛のモデルはだいたいが女性的だった。
母親が子供にいだく限りなく寛容な愛から、
あまり賢くはないが役に立つ男性に対して
女性がいだく愛まで。
これが、
不寛容で要求がましい神がいだく、
嫉妬深く怒りっぽい愛にとってかわられた。
劣る者に容赦なく、
いいかげんな者を許さず、
どんな反抗も見のがさない神だ。」
(p.70)

厳しい愛を示す神は、
こうして創られたと言います。

「これが、
現在あなたがたが崇める神であり、
こうしていまのような事態になったのだ。」
(p.70)

旧約聖書に現れる神は、
たしかにそういう厳しさがあります。

失敗者を裁く神です。

これを、私たち、
特に男性が創り出したと言うのです。

「「力は正義なり」という考え方、
「力ある者が強者だ」という考え方は、
男性が創り出した神話のなかで
生れたものなのだよ。」
(p.70)

力があるという特質を、
男性は権力を得るために利用しました。

だからこそ、
力に価値観を置くようになったのでしょうね。

そしてそのことによって、
力を振るって互いに争う社会になったのです。

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幸せ実践塾・塾長

赤木篤 (あかき・あつし)


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