いったい何様のつもり?

いったい何様のつもり?

こんにちは!
幸せ実践塾塾長の赤木あつしです。

「神との対話」の一部を引用しながら
内容を解説するシリーズ。

今回は第9章の2回目になります。

前回の最後に、
善悪は私たちが決めている
という話がありました。

そこで神は、私たちがどうやって
「正しい」とか「間違っている」などを
決めているかを尋ねます。

「あなたは何をもとに決めているのか、
教えてほしい。自分自身の経験か?」
(p.206)

神は、私たちが他人の決定を
無批判に受け入れていると指摘します。

「多くの場合、あなたがたは
ほかの誰かの決定を受け入れている。
昔のひとや年上のひとたちのほうが
よく知っているだろうと考えている。
日ごろ、自分自身の理解をもとに、
何が「正し」く、何が「悪い」かを
決定しているひとたちはほとんどいない。
重要なことになると、
ますますその傾向が強くなる。
重要なことであればあるほど、
誰かべつのひとの考えに従いがちだ。」
(p.206)

これがまさに、
「殺人は間違っているのか?」
という問いに現れています。

多くの人は、「人殺しは悪い」と言います。

そう言いながら、
死刑を「悪い」としない人が大勢います。

社会を再犯の危害から守るのが目的なら、
終身刑で良いではありませんか。

本心は、報復したいのです。

仇討ちをしたいだけです。

それなら、
相手の子どもが仇討ちをやり返したら、
どうするのでしょう?

それは「正しい」ことでしょうか?

どうして自分たちの報復は正しくて、
相手の報復は間違いなのでしょう?

死刑執行人は、
「正しい」ことをしているのでしょうか?

戦争で多くの人を殺すことは、
賞賛されることでしょうか?

テロによる殺人は間違っていて、
容疑者を裁判にもかけずに殺害するのは
正しいと言えるのでしょうか?

このように具体的に考えていくと、
何が「正し」くて何が「悪い」のか、
そう簡単に言えないことがわかります。

それなのに、どうして安易に
「殺人は悪い」と言えるのでしょう?

私たちは、無意識に
誰かが決めたことに従っています。

つまり、自分の経験に従っていません。

「こうしたことがらには
「正しい」も「間違っている」もない。
だが、あなたの決断は
あなたが何者なのかを映し出す。」
(p.208)

他人の意見に従おうと、
自分の経験に従おうと、
私たちは何かを決断します。

そして、その決断によって、
私たち自身を創造しているのです。

つまり、無意識に生きる現状では、
自分として生きておらず、
他人の人生のコピーをしているだけです。

本当の自分として生きることが
簡単ではない理由がここにもあります。

「自分で考えるのはつらいことだ。
価値判断するのはむずかしい。
自分で考え、価値判断をするとき、
あなたは純粋な創造の場に置かれる。
なぜなら、さまざまなことについて
「わたしにはわからない。わからないのだ」
と言うほかないだろうから。
それでも、決定しなければならない。
選択しなければならない。
自分で考えて選択しなければならない。
そういう選択--
過去の知識にたよらない決断--
それが純粋な創造と呼ばれるものである。
そしてひとは、
そうした決定をしているとき、
自分自身を
新たに創り出していることに気づく。」
(p.209)

世の中は矛盾していて、
「これが絶対に正しい」などと
簡単に言えないことばかりです。

それなのに、自分の正義を押し付ける人は、
考えていないのです。

もし本当に自分で考えたなら、
「わからない」と答えるしかないでしょう。

その「わからない」という気持ちがあれば、
安易に他人を批判することはできません。

「それも正しいかもしれない。」

そういう気持ちになるからです。

自分の経験に照らし、
自分の直感に従った決定は、
往々にして常識に反します。

これまでの考え方では、
自分のどこかに釈然としないものが
残るからです。

それは私たちが、
一歩先に進もうとしているからです。

変化しようとしているからです。

「認められ、大げさに騒がれることは
たいてい心から納得して決めたことではない。
個人の誠実な選択が
そんなふうに祝福されることはほとんどない。
それどころか、嘲笑されるかもしれない。」
(p.210)

これまでの考え方に従っている人にとって、
自分の心に従おうとした人の決断は、
非常識に映ります。

批判したり、バカにしたくなるのです。

そして、こう言われます。

「いったい何様のつもりなんだ?」
(p.210)

お前のようなバカが、
自分で考えるなんて愚かしいことだ。

そのように思われるからです。

しかし、神は、
その問いこそが重要だと言います。

「そう、おまえは何者か、
という問いにあなたは答えることになる。
その仕事は
たったひとりでしなければならない。
報酬もなく、認められもしない。
気づいてももらえないかもしれない。」
(p.210)

それでも私たちは、
本当の自分として生きるために、
より大きな自分を創造するために、
進化成長するために、
その問いに答えていかなければなりません。

私たちは常に、「お前は何者か?」
という問いに答えるのです。

私たちは、
ちっちゃな愚かな存在なのでしょうか?

そう答えれば、そういう自分を創造します。

それとも、
大きくて素晴らしい存在でしょうか?

その問いに答え続けることが、
生きるということなのです。

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赤木篤 (あかき・あつし)


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