霊性と政治の関係

霊性と政治の関係

こんにちは!
幸せ実践塾塾長の赤木あつしです。

「明日の神」の一部を
引用しながら内容を解説するシリーズ。

今回は第19章の1回目です。

この章では、「新しい霊性」が
地球上の実生活にどんな影響を及ぼすか、
ということが語られます。

まずは政治です。

「「新しい霊性」は、
政治とはあなたがたの霊性の現れだ、と言う。」
(p.274)

「地球上の一部の社会では、
政治と霊性は分離しておくべきだ
と考えられている。
わたしの見るところ、
これは人類が思いついた考えのなかでも
最も機能不全で、
役に立たないもののひとつだ。」
(p.274)

これは以前から語られていますが、
霊性と宗教を混同すると
この意味がわからなくなるのです。

「「教会」とは特定の教義を
きわめて特殊な方法で教える組織である
と定義し、
「国家」とは人びとを律する法律を
制定し施行する力をもった機関である
と定義するなら、
この二つの要素を分離するのはいいことだ。」
(p.275)

このように、
政教分離は良いことだと神は言います。

「しかし、
「霊性(スピリチュアリティ)」とは
人びとの文化的な価値観や
神聖な信念の総体であると定義し、
「政治」とは
法律を作成し制定する人びとを
選出するプロセスと
法律を採択する方式であると定義するなら、
この二つの要素を分離するのはよくない。」
(p.275)

たとえて言えば、
ある候補者が人格者だから投票する
という判断がOKなのであれば、
霊性は政治に関係していると言えます。

「人格者」と言っても、
その定義は様々で、
受け止め方も人によって異なるでしょう。

その人の考え方、信念、生き方、暮らし方、
そういったものの中に表れる価値観、
それが「人格者」かどうかを判断するのに
大きく影響するはずです。

そしてそれらがまさに、
霊性の表れだと言えるのです。

このように考えれば、
霊性と政治はすでに混ざり合っている
とも言えますね。

しかし、いつまでも犯罪が頻発し、
貧困が解消されず、
人間として最低限の健康的文化的な生活を
保障することさえできていません。

神は、これは別の原因があると言います。

「問題は
人びとの信念が政治と混ざり合っている、
ということではない。
要するに人類の信念が
ぐちゃぐちゃに混乱している、ということだ。」
(p.277)

「あなたがたの霊性は
すでに政治にもちこまれている。
ただ、それを認めようとしないだけだ。」
(p.278)

少なくともアメリカでは、
認めようとしていないと神は指摘します。

「問題はあなたがたが
霊性と政治を分けていることではなく、
むしろ
政治プロセスにもちこんでいる霊性の内容--
文化的価値観と
神聖な信念--のほうなのだよ。」
(p.278)

霊性が政治と関わっていることを認め、
その霊性を吟味することが重要だ
と神は言うのです。

私たちの今の霊性とは、
いわゆる「昨日の神」とこの本で言っている
古い信念のことです。

ここから、アメリカの状況を例に、
神とニール氏は現実がどうなっているか
ということを語り合います。

アメリカは自由の国だと言われますが、
その「自由」という概念は、
まさに神の定義そのものではないか
と神は指摘します。

霊性が政治に反映されている
というわけですね。

「「新しい霊性(スピリチュアリティ)」の
時代には、
政治を使って神を定義したように
自分自身を定義するという考え方が
ひろく認められるようになるだろう。」
(p.282)

アメリカという国が
自由という価値観を尊重しているのは、
神を自由と定義しているからであり、
その神の属性に基づいて
人間社会を創造しようとしているのだ
と神は言います。

ただ今は、
そう考えることが否定されていて、
関係ないというフリをしているだけなのだと。

アメリカでは、
よく「神に与えられた権利」という言い方を
するそうです。

その権利を政治に反映させようとしています。

「あなたがたが根深い文化的な価値観と
神聖な信念にもとづいて--
言い換えればあなたがたの
霊性(スピリチュアリティ)にもとづいて--
憲法を制定し、
国家をつくり上げたことを知っている。」
(p.283)

当事者のアメリカ人は気づかなくても、
他の国の人々は気づくのです。

違いが表れているからですね。

「そのひとたちは、
人びとが神と同じ権利をもち、
神と同じ自由を有するべきではない
と信じている。」
(p.283)

「アメリカ人は神の前で、
ぜんぜんつつましくないと思っている。」
(p.283)

国民を抑圧する国家は、
たしかにこのように思っているのでしょう。

イスラム圏の国は、
だいたいそうではないでしょうか?

カトリック圏も似ているかもしれません。

「だからアメリカの文化的な価値観が
世界中にひろまるのを見て、
自分たちの文化的な価値観がおびやかされ、
押しつぶされていると感じている。」
(p.283)

「だから宗教戦争が起こる。
それは生存をかけた問題だからだ。」
(p.283)

霊性が異なるということは、
自らの生存の問題につながるのです。

そして実際、
宗教的または文化的な違いを背景に、
際限なく戦争が繰り返されてきました。

私たちは、この問題を
どう解決していけばよいのでしょうか?

神は次のように答えます。

「だから
「新しい霊性(スピリチュアリティ)」が
人類の解決策になるのだよ。
人類の争いは軍事的な闘いではなく、
心の闘いだ。」
(p.284)

軍事力の問題ではなく、心の問題です。

どのような霊性に生きるか
という問題なのですね。

「制圧することはできても、勝利はできない。
制圧と勝利はべつべつのものだ。
人びとの心を変えることができたとき、
はじめて闘いに勝利し、
人類に平和と調和をもたらした
と言うことができる。
それが実現するのは、
問題は軍事力でも政治でも経済でもない
と人類が気づくときだ。
人類がいま直面しているのは、
霊的(スピリチュアル)な問題なのだから。」
(p.284)

まずは信念の問題だと気付き、
それを変えようとすることなのですね。

そうすれば、軍事的、政治的、経済的な
道具(ツール)を使うことで、
容易に問題を解決できるようになる。

神はそう言うのです。

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