正義は人それぞれ 【総集編】

正義は人それぞれ 【総集編】

こんにちは!
幸せ実践塾塾長の赤木あつしです。

「神との対話」の一部を引用しながら
内容を解説するシリーズ。

すでに全体の解説が終わっていますが、
私が「これはすごい!」と感じた点を
ピックアップして解説したいと思います。

今日はその9回目です。

「この世には絶対的な正義がある!」

私はそう考えていました。

その絶対的な正しさに従わないから、
世の中は乱れるのだと。

だから、善い人になろうとし、
悪い人は懲らしめるべきだと考えていました。

いわゆる勧善懲悪ですね。

若いころに中国の古典も学んだのですが、
老荘思想よりも儒教思想の方が好きでした。

何が善で何が悪か、明確だったからです。

しかし、
そんな私の常識をぶっ壊したのが、
この「神との対話」でした。

「神の世界では、なになにを「せよ」とか
「してはならない」とは言わない。
したいことをしなさい。
より大きな自己の姿に
かなっていることを考え、行いなさい。
悪だと感じたいなら、悪と感じなさい。
だが、一方的に決めつけたり、
非難したりしないほうがいい。
なぜ起こるか、何のために起こるか、
あなたがたには理解できないのだから。」
(p.58)

神は人に自由を与えたのですから、
その上で何かをせよとかするなと言えば
矛盾していることになります。

それはわかるのですが、
それでも神にとっての「善い」があるし、
逆の「悪い」もあると思っていました。

しかし神は、
それすら完全に否定するのです。

「わたしは正邪も善悪も決めたことはない。
そんなことをしたら、あなたがたへの
最高の贈り物がだいなしになる。
したいことをして、
その結果を体験するという機会を
あなたがたから奪うことになる。」
(p.59)

神は明確に、
「正邪も善悪も決めたことはない」
と言い切ります。

これまで多くの宗教が、
これが正しい、あれが間違っている
と言ってきたのに。

そして、神の正義を掲げて、
人々は戦ってきたのです。

それなのに神は、
正邪も善悪も決めないと言います。

絶対的な善悪は存在しないのだと。

しかし、私たちには
明らかに善悪の価値観があります。

「倫理」という言葉があるように、
人として踏み行うべきこと、
行ってはならないことが存在する
と信じているのです。

もし神が絶対的な善悪を決めず、
悪いことをしても地獄に落とさないなら、
この世は乱れてしまうのではないか?

そんな不安も感じます。

この世には悪いことをする人もいますが、
彼らはいずれあの世で
地獄の苦しみを味わうことになるのだ。

それで辻褄が合うと思っていたからです。

それに対して神は、このように言います。

「不安でなければ正しい者にならず、
正しいことをしないのか?
おどかされなければ、
「善良」にならないのか?
「善良である」とはどういうことか?
誰がそれを決めるのか?
誰が指針を示すのか?誰が規則をつくるのか?
言っておくが、
規則をつくるのはあなたがた自身だ。
あなたがたが指針を示すのだ。
自分がどれだけ善良であったかを決めるのは、
自分自身だ。
あなたがたがほんとうは何者であるか、
そして何者になりたいかを決めるのは、
あなただ。そして、
どこまで目的を果たせたかを決めるのも、
あなただ。」
(p.62)

これには、
ハンマーでガーンと頭を殴られたような
衝撃を感じました。

たしかに、
私たちは罰せられる不安があるから
悪いことをしないのでしょうか?

たしかにそういう一面もありますが、
それだけではありません。

仮に人が見ていなくても、
何か悪いことをしてしまう自分が
嫌なのです。

これを私は
「美学」とか「美しさ」と言っています。

自分が美しいと感じる生き方をする。

たとえそれで損を被っても、
自分自身を汚したくないという思い。

そういう生き方をした時、
非常に満足感を覚えるし、心地よいのです。

これは「良心」と言えるかもしれません。

私たちの心には、
誰から指導されたわけでもないのに、
「善いことをしたい」
「悪いことをしたくない」
という思いがあるのです。

しかし、ここまで読んだ時点でさえ、
私はまだ絶対的な善悪がある
と無意識に思っていました。

そうは言っても、
みんなが「これが正しい」と言うことが
あるに違いないと信じていたのです。

けれども神は、
私のそういう思いもひっくり返しました。

「ものごとが明らかに正しいのなら、
それをするがいい。
だが、何かを「正しい」と考え、
何かを「間違っている」と考えるのは、
一方的な決めつけだということを
覚えておきなさい。
ものごとは、あなたがたがそう言うから、
正しいとか
間違っていることになるのであって、
それ自体に正邪はない。」
(p.69 – 70)

「「正しい」とか「間違っている」とかは、
ものごとの本質ではなく、
個人の主観的な判断だ。
その主観的な判断によって、
あなたは自らを創り出す。
個人的な価値観によって、
あなたは自分が何者であるかを決定し、
実証する。
その判断をくだせるように、
いまのような世界が存在している。」
(p.70)

絶対的な基準があると信じていたのに、
神はそれは主観にすぎないと言うのです。

単に私にとっての正義であり、
万人にとっての正義ではないのだと。

これは最初、
なかなか受け入れがたいことでした。

また長くなったので、
この話は次回に続きます。

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