6.裁きという幻想

6.裁きという幻想

こんにちは!
幸せ実践塾塾長の赤木あつしです。

「神とひとつになること」の一部を
引用しながら内容を解説するシリーズ。

今回は第6章の1回目です。

第6の幻想は、第5の幻想から生まれました。

「その課題を果たしたかどうかは、
何によって決まるのか?
果たせなかった者はどうなるのか?」
(p.71)

この疑問に答える形で、
第6の幻想、裁きが生まれました。

「誰かが最終的な判断をくだすはずだ、
とあなたがたは考えた。
課題を決めたのは創造者だから、
当然、誰が課題を果たし、
誰が果たしていないかを決めるのも
創造者だろう、と。」
(p.71)

こうして、
創造者である神を喜ばせることが、
人類にとって重要なこととなったのです。

「まわりを見れば
うまくいっている人生もあり、
うまくいっていない人生もある。
素朴な心に疑問が浮かんだ。なぜだろう?」
(p.71)

この素朴な疑問から、
素朴な答えが生まれます。

「神に好かれた者には幸運が微笑む。
満足させなければならない相手は神だ。
それなら、
判断をくだすのも神に違いない。」
(p.71)

生贄(いけにえ)を捧げるのも、
これと同じような論理です。

要は、上手くいかないのは、
自分たちが課題を果たしていない、
大いなるものを喜ばせていない
と神が判断しているからだ
と考えたのです。

「あなたがたは、
個人的な災厄や天災がその証拠だと考える。」
(p.72)

これはキリスト教など一神教に限らず、
日本など多神教でも同じです。

ですから、神社へ行ってお祓いをしたり、
幸運を祈願したりします。

お賽銭の額が大きければ、
より願いも叶いやすいなどと思うのです。

この考えはさらに、
課題を果たすことが不可能だ
という考え方も生みました。

どんなに頑張っても拭えない罪がある。

いわゆる原罪です。

「人間たちは始まる前から
お互いに「汚れ」をつけあった。
前にも説明したように人間たちは
性(ジェンダー)や皮膚の色、
宗教が「違う」者は正しくないと言った。」
(p.74)

つまり、
生まれる前から決まっているのだと。

その違いによって、
神は好むものと好まないものがあり、
それが当然なのだと考えたのです。

なぜ神がそんなことをするのか?

それは、最初の人間が
許されない悪事を犯したから。

そのように、理由を考えたのです。

こうして、この第6の幻想を、
第3の分裂という幻想が
支えることになるのです。

私たちは、
人間は不完全なものだと信じています。

神がそう定めたのですから。

その一方で、
自分たちが神に期待されている完璧さを、
他人に期待すると神は言います。

「そこで人間は一生、
自分が不完全だという相手に、つまり人間に、
完璧さを期待しつづける。
まず、自分自身にそれを期待する。
これは最初の、そして多くの場合は
非常に代償の大きな過ちだ。
それから、ひとに期待する。
これが第二の過ちだ。
そのために、自分もひとも決して--
課題を果たすことができなくなる。」
(p.75)

ちょっとわかりにくいので、
次の具体的な例を見てみましょう。

「親は不完全な子供に完璧さを求め、
子供は不完全な親に完璧さを求める。」
(p.75)

他人に期待するというのは、
こういうことですね。

こうして、
完璧にできない他人を裁きます。

自分に期待するというのも同様です。

完璧にはできないのですから、
自分を責めることになります。

自己卑下したり、
罪悪感を抱くことになります。

「あなたがたは
自分自身の仕掛けた罠に落ち、
お互いに押しつける裁きから、
そして神がくだすと信じる裁きから
のがれられなくなった。」
(p.76)

私たちは、神の裁きさえ待たずに、
自ら裁きを与えようとします。

課題を果たせないなら、
特に報酬を得た者が完璧でないなら、
裁かれて当然だと考えるのです。

しかし、課題を果たそうと果たすまいと、
裁かずに観察しているだけでも良いはずです。

そう考えることもできます。

そこでまた5章の終わりと同じように、
話が進みます。

つまり、第六の幻想には
明らかな欠陥がありました。

しかし、どこか深いレベルで、
この幻想を捨ててはいけないと感じたのです。

何か大切なものを失うと感じたから。

その感じ方は正しいのですが、
幻想と見抜いて本来の目的のために
活用しようとしませんでした。

欠陥をとりつくろおうとして、
第七の幻想を生み出すことになるのです。

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