子どもに問いかける教育

子どもに問いかける教育

こんにちは!
幸せ実践塾塾長の赤木あつしです。

「神との対話2」の一部を引用しながら
内容を解説するシリーズ。

今回は第9章の4回目になります。

「人類として
最も偉大なヴィジョンのなかでも、
最も偉大なヴィジョンを創造しなさい。
それから、
そのヴィジョンを支えている価値観と概念を
学校で教えなさい。」
(p.170)

これまでと同じことをしていたら、
同じことの繰り返しなのです。

ですから世界を変えたいと思うなら、
教育のやり方を変えることだと言います。

それは、人類はどうあるべきなのかという
偉大なヴィジョンに基づいて、
それを支える価値観と概念を
教えることだと言います。

では、その価値観と概念とは
どういうものなのでしょう?

それを以下のように例示します。

「たとえば、こんな教科があってもいい……。
1.力の理解
2.紛争の平和的な解決
3.愛情ある関係の要素
4.個性と自己創造
5.身体と精神と魂
……これらはどう機能するか」
(p.170)

この例示は、17まで続きますが、
引用は省きます。

これらの中には、
今でも教えられているテーマがあります。

しかし神は、
週に2時限くらいのわずかな時間ではなく、
これらを中心にするのだと言います。

「子供たちにはできるだけ
コアとなる概念を理解させなさい。
日付や事実や
統計数字を中心にするのではなくて、
価値観を中心にした論理的構造を
創りあげることに関心を向けさせなさい。」
(p.171)

たとえば歴史では、
何年に何が起こったかという事実を
覚えさせる必要はないのです。

その起きたことの背景、
それぞれの人の思惑などを教え、
どうしてそうなったのかを理解させる。

どうすれば、
それを変えられたのかを考えさせる。

そういう教育が必要なのです。

「いまのあなたがたの教育システムは
答えを出すことを主にしている。
だが、
問いかけることを主眼にしたほうが、
ずっと役に立つだろうに。」
(p.172)

たとえば「誠実とはどういうことか?」、
「責任感とは?」などと子どもに問いかけ、
答を考えさせるのです。

「すべての子供たちに
自分で答えを見つけなさい、
創りなさいと励ます。」
(p.172)

一方的に既存の価値観を与えたり、
押し付ける教育ではいけないのです。

それでは進化成長がありませんから。

そうではなく、
子どもたちに考えさせるのです。

そのために、
私たちがどうしてきたかを伝えることは
有用なことだと言います。

「学校で年長者たちが過去に何を学び、
何を発見し、
何を決定してきたかをすべて教えたとき、
それははじめて役立つ。
すべてがどんなふうになったか、
生徒たちは観察できるからね。」
(p.172)

年長者が、ある出来事や状況において、
どう判断したのか、なぜそう判断したのかを
白日のもとにさらすこと。

そうすることが、
子どもたちの役に立つのです。

「ところが、あなたがたは、
そういうデータを「正しいこと」として
教えている。
データはありのまま、
見せてやるべきなんだよ、データとしてね。
過去のデータを
現在の真実の基礎にしてはいけない。
前の時代や体験のデータは、
つねに新しい問いかけの基礎で、
それ以上のものではない。
宝はいつも、答えではなくて、
問いかけのなかにある。」
(p.172)

私たちは、自分を正当化するために、
私たちの判断を「正しい」ものとして
子どもたちに伝えようとします。

それが「価値観の押しつけ」なのです。

私たちがなぜそう判断したのか、
それを詳細に伝えるだけで良いのです。

そうすれば子どもたちは、
私たちの経験の上に
自分たちの経験を積み上げることができます。

「学校は初等教育から高等教育まで
一貫して子供たちに、
自分自身の価値観を探しなさい、
その価値観をどう活用するか、
どう応用するか、機能させるか--
さらには、どう問いかけるかを
追求しなさいと励ますべきだ。
子供たちに価値観を問われたくない
という親は、子供を愛していない親だよ。
子供を愛しているのではなく、
子供を通じて自分を愛している親だ。」
(p.173)

価値観を子どもたち自身に探させる。

たとえそれで、
親の価値観が否定されるとしても。

それが親の愛だと神は言います。

ここで神は、
ルドルフ・シュタイナー氏が創設した
ウォルドルフ・スクールのことを話します。

ただしこれはひとつの例であって、
それが完璧ということではないとも言います。

シュタイナー教育のことは、
私も興味を持って調べてみたことがあります。

小中一貫で、担任の先生は小学校からずっと
同じ先生が務めます。

同じ先生が見続けることで、
生徒との間に特別な信頼関係が生まれます。

また、テストというものがありません。

何を学びたいのか、
カリキュラムは自分で選ぶことができます。

そんな特徴がある教育です。

もちろん、それで
すべてが上手く行くとは思いません。

たとえば、どうしても先生と合わない場合、
担任がずっと変わらないことは
苦痛になるかもしれません。

担任が変わらないことで、
先生によって違いがあることに気づかず、
高校に入ってとまどうかもしれません。

そういった不都合の可能性はあっても、
変えてみる価値はあると思います。

なぜなら、これまでのやり方では
上手く行かないからです。

不都合なことが起こると
誰か他の人や環境のせいにする。

そうやって犠牲者になってしまう。

そういう依存体質は、
今の教育がそうだからです。

今の教育が、
親や先生の言うこと(価値観)を
無批判に受け入れることを求めているから。

教育は、未来への希望です。

わずか1年4ヶ月の教育で、
維新の指導者を育てた松下村塾のように、
教育には絶大な力があります。

私が通った国士舘大学の世田谷本校の隣に、
松陰神社がありました。

国士舘大学を設立した柴田徳次郎氏は、
日本を支える国士を育てようとして、
その場所に大学を創立されたのです。

私は、
毎朝登校する前に松陰神社へ立ち寄り、
吉田松陰氏の墓にお参りしました。

彼の生き方に学び、
彼の生き方に近づきたいと思ったからです。

教師という夢は捨ててしまいましたが、
今はこうして塾長として
何かしら教えるようなことをやっています。

これもまた、
私の運命かもしれないなと思います。

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幸せ実践塾・塾長

赤木篤 (あかき・あつし)


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